2025.01.21(火) 事務局からのお知らせ
挑戦者を迎え撃つ舞台―ABCゴルフ倶楽部が生む伝説
ゴルフというスポーツは、時にはコースが主役となり、選手たちの挑戦を引き立てる。
4月9日「スクランブルゴルフチャンピオンシップ in 神戸 2025」が開幕する。その舞台となるABCゴルフ倶楽部は、これまでにも数々の名勝負を生み出してきた特別な場所だ。
“速さ”という個性が光る舞台
国内のゴルフコースの多くは、起伏を活かしたアンジュレーションのあるグリーンを特徴としている。その中で、ABCゴルフ倶楽部が持つグリーンは、フラットな設計が最大の特長だ。だが、その「平坦さ」は決して単純ではない。ABCはその特性を活かし、グリーンの「速さ」に特化した戦略を追求している。
通常、国内プロトーナメントのグリーンスピードは11~12フィートが一般的だが、ABCでは大会最終日に14.5フィートを記録したこともある。これは、世界最高峰とされるマスターズのグリーンと比べても遜色ないスピードだ。
かつて谷口徹は「マスターズよりも速い」と評した。世界を知るベテランの言葉が、このグリーンの過酷さを物語る。ボールがラインに乗った瞬間、まっすぐに伸びていくその様子は、まるでガラスの上を滑るようだ。
一方で、わずかでもラインを外せば、どこまでも転がり続ける。極限の精度が要求されるこのグリーンは、選手たちにとって挑戦そのものだ。
名物18番ホールが生むドラマ
ABCゴルフ倶楽部の数ある伝説の中でも、特に注目すべきは最終ホールの18番パー5。このホールでは、選手たちが「攻めるか、守るか」という難しい選択を迫られる。
2008年、このホールで石川遼が見せたウォーターショットは、今なおゴルフファンの記憶に刻まれる伝説の一打だ。
当時17歳の石川は、池越えのセカンドショットを狙いながらもボールを池に落としてしまった。
しかし、その後の伝説となったウォーターショットでピンそば3メートルに寄せ、歓喜の初優勝を掴んだ。
石川は、後にこの一打について「あの一打がなければ、今の自分はなかった」と語っており、その一打が自身のキャリアにとって大きな転機となったことを振り返っている。
プレッシャーが極限まで高まるフィニッシングホールで、選手たちは己の技術と戦略を最大限に試される。
自然と挑戦が共存する名門コース
ABCゴルフ倶楽部のもうひとつの魅力。それは、美しい景観とプレーの緊張感が見事に調和している点だ。
広々としたフェアウェイと四季折々の自然は訪れる者を包み込む。一方で、コースそのものは、選手たちが容赦なく試される。
このコースにあるのは、技術と戦略、そして精神力が噛み合ったときに初めて感じられる「ゴルフの本質」そのものだ。ABCゴルフ倶楽部は、その真髄を引き出す舞台である。
スクランブルが切り開く新たな歴史
プロトーナメントとして初めて、チームゴルフの新しい形であるスクランブル形式が採用される。
個人技術ではなく、ペアでの戦略が鍵を握るこのフォーマットは、ゴルフの可能性を広げる大きな一歩となるだろう。
チームの絆が、ABCゴルフ倶楽部という歴史ある舞台でどのようなドラマを生むのか。その一打一打に込められた思いが、新たな物語を描いていく。その瞬間を、ぜひ見届けてほしい。
ABCゴルフ倶楽部―― 美しいフェアウェイと超高速グリーンが、挑戦者たちに試練と栄光をもたらす。
4月9日、新たなゴルフのストーリーがここから始まる。
この記事を書いた人
MORIYA KIYOSHI
1974年生まれ|埼玉県出身|【経歴】JLPGA → Golf Life(株) → Forever Golf(株) 代表 → いま 日本一ワクワクするゴルフイベントを企画中!