2025.05.28(水) 大会レポート
プロの矜持とアマの情熱。馬場姉妹と挑んだ18ホール
「まるで女子会のようで、すごく楽しかったですね」。馬場由美子のその一言に、この日のラウンドの空気がすべて詰まっていた。
にぎやかで、温かく、そして背筋が伸びるような時間だった。
唯一の女性4人組でティーオフ
『スクランブルゴルフチャンピオンシップ in 神戸 2025』。この日、唯一の女性4人組としてティーに立ったのが、馬場ゆかり・由美子姉妹と、アマチュアの小林麻実さん、松岡史恵さん(チーム名:まみふみMV)だった。
プロチームの名は「馬場姉妹」。実はこの大会が、姉妹で初めてタッグを組んで出場した記念すべき一戦となった。
姉のゆかりは、2011年の日本女子オープンなど、ツアー通算3勝を挙げた実力者。現在は子育てと両立しながら、久々の競技参戦となった。
「子どもの幼稚園の始業式と重なりそうだったけど、なんとか出られそうだったので」。妹の誘いに背中を押され、今回のラウンドが実現した。
一方、妹の由美子は、ツアープレーヤーとして活躍しながら、ティーチングプロA級資格を取得。さらに早稲田大学大学院を修了するなど、プレーと教育の両面でキャリアを重ねている。
プロの背中を追う、アマのまなざし
そんな姉妹とラウンドを共にした小林さんは、目を輝かせながらこう語った。
「姉妹で本当に素晴らしかったです。人柄もゴルフもまったく乱れがなくて、悪いところが見当たらない。すごく勉強になりました」。
さらに、プレーを通じて感じた“プロとの違い”にも触れた。
「プロのパッティングって、外しても“目をつぶっても入る”くらいの距離に止まるんです。でも私たちは、“入れなきゃボギー”っていう距離ばかりで、毎回がプレッシャーでした」。
そんな現実を体感しながらも、アマチュアのふたりは懸命にプロの背中を追い続けた。
そのひたむきな姿に心を寄せながら、由美子は「おふたりのガッツに引っ張られました」と笑顔を見せた。
「最近スクランブルの大会が流行っているので、どんなものか体験してみたかったんです。すごくいいですね」。
そう話すゆかりは、本番前に男子プロとの練習ラウンドも経験し、普段とは異なる刺激を受けながら新たな学びを得たという。
チーム戦だからこそ、伝わるもの
トーナメント史上初の形式として開催された今大会。性別も年齢もキャリアも関係ない――そのコンセプトを、もっとも自然体で体現していたのは、もしかしたらこの“女子会チーム”だったのかもしれない。
スクランブルの魅力を、そっと、確かに伝えてくれた一日だった。
この記事を書いた人
MORIYA KIYOSHI
1974年|埼玉県生まれ|【経歴】JLPGA → Golf Life(株) 新規事業推進室 →いま Forever Golf 株式会社 代表/ Creative Producer| いつまでも豊かなライフスタイルを。ゴルフで笑顔が生まれる体験をプロデュースしています。