2025.02.25(火) 事務局からのお知らせ
矢野東 スクランブルゴルフの未知なる戦いへ
モデルのようなルックスと華麗なファッションセンス。ツアー会場ではプレースタイルだけでなく、その存在感でもひときわ目を引く。
しかし、キャリアは決して順風満帆ではなかった。2005年に初優勝を飾り、08年には10試合連続トップ10入りを達成、ツアー通算3勝を挙げた。その年の賞金ランキング2位に輝いたが、その後は試練が続いた。それでも何度も立ち上がり、戦い続けてきた。
そして今、新たな挑戦へと歩を進める。
4月9日、「スクランブルゴルフチャンピオンシップ in 神戸 2025」。
矢野東にとって、これまでとは異なる形の戦いが待っている。「スクランブル」というフォーマット。個人競技のゴルフとは一線を画し、ペアが力を合わせ、ベストを尽くす。
「プロ同士だったら、パーオンは当たり前。結局はパター勝負になると思っている。いかに二人でパッティングを決められるか。そこがカギですね」
そう語る矢野の表情には、未知なるフォーマットへの期待と、勝負の厳しさを知るがゆえの冷静な分析がにじむ。
超高速グリーンの罠――ABCゴルフ倶楽部 攻略のカギ
今回の舞台となるABCゴルフ倶楽部。矢野にとって馴染みのあるコースではあるが、「4月のABCはプレーしたことがない」と率直に語る。
「マイナビABCチャンピオンシップでしかプレーしたことがないので、高速グリーンのイメージしかない。でもやっぱりラフですね。4月だからどのくらいの状態かわからないけど、楽しみです」と落ち着いた口調で話した。
大会を勝ち抜くためには、事前の練習ラウンドでコースの特徴をつかみ、戦略を練ることが欠かせない。
矢野は慎重に言葉を選びながら、「まずは練習ラウンドで二人のイメージや調子を見て決めたい」と静かに口にした。
プロの視点からは、スクランブルでは確実にパーオンすることが前提となる。問題は、その先。「いかにバーディを重ねられるか」。
スクランブル特有の“二人でパットを打てる”というアドバンテージを最大限に活かし、勝負の行方はグリーン上で決まると見ている。
スクランブルゴルフが開く新たな扉
矢野はこれまで「スクランブルゴルフツアー」にアマチュアと共に参加した経験を持つ。そのときに感じたのは、ゴルフの新しい楽しみ方の可能性だった。
未来のゴルフ界を思い描きながら、「スクランブルでプロとプレーできる機会がもっと増えたらいいなと思うんです。アマチュアにとってはプロのプレーを間近で見て学べるし、逆にツアーに出られないプロにとっても試合の機会が増える。そういう小さな大会がもっと増えればいいな」と願うように話した。
ツアーだけがプロの舞台ではない。ゴルフ界の多様な発展を願う彼の言葉には、競技者としての視点と、新たなゴルフ文化への期待が込められている。
「18アンダーを目指す」――矢野の決意
プロ同士が真剣勝負でアマチュアと競い合う。今大会に向けて、強い目標を掲げる。
「初めての経験だからこそ、どこまでいけるかわからない。でも、やるからには18アンダーを目指して頑張ります」と力強く語った。
個の力ではなく、二人の結束と戦略がカギを握る戦い。矢野東はスクランブルの舞台でどのような戦略を描くのか。
その答えは、4月9日、明らかになる。
この記事を書いた人
MORIYA KIYOSHI
1974年生まれ|埼玉県出身|【経歴】JLPGA → Golf Life(株) → Forever Golf(株) 代表 → いま 日本一ワクワクするゴルフイベントを企画中!